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ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS) (Fx COMICS)
ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS) (Fx COMICS)
ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS) (Fx COMICS)
沙村 広明
定価: ¥ 700
販売価格: ¥ 700
人気ランキング:
おすすめ度:
発売日: 2007-12-18
発売元: 太田出版
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
667円は無い
これほど少女の残酷な運命があっただろうか、という煽り文句につられてレジに向かい、後悔している。
本当に、後悔先に立たず、という言葉が身にしみた。667円……。
確かに他のレビューで書かれている通り残酷ではあったが、私が残念に思ったのは話の流れ。余りにあっさりしすぎていて、正直、拍子抜け。
群像劇という作風を選択した時点で、こういった流れになってしまう事は仕方が無いのだろうとは思うが、もう少し色を着けてくれても良かったのではないだろうか?(この流れから外れると駄作になる可能性大だが、この作品自体、良作!という訳でも無いので、もうはっちゃけちゃえばいいじゃないか)
それ以外は出来が良く、さすが、と思わせる部分もあるので、この作品を見たい!と思った方は迷わずBOOKOFFへ。
半額で買え!ワンコイン以上は出すな危険。
作者の世界観を受け入れられるかどうか
最初は怖いもの見たさに、しかし次第にその物語の紡ぎ方の巧みさに魅せられてしまった・・と言ってしまえば全くその通りです。
散々な酷評を見て、自分もそれに追従しようかと画策しましたが、なんだかその気も失せてしまいました。
第一話、ダイアナの運命・・そもそも華麗な舞台と残虐性との落差や極限状態での性衝動を演出するためだけの"設定"だったのではないでしょうか。
それを単行本一冊分の世界観にまで膨らませるのは、やはり無理があったような気がします。
第二話、プリシラの存在とは何だったのか?ステラの中のもう一人の自分なのか、それとも・・。
最も目を背けたくなる場面が連続し、その深淵にあるステラの悲しみまで見失ってしまうかもしれない。
しかしその彼女の独白にこそ、この物語の主題が隠されているのかもしれません。
上記二話が効果的にはたらき、三、五、七話などは特に場面に馬車が登場するだけで恐怖と戦慄を感じてしまう。
第四話、咆哮とともにすべてを理解したピアスは、一瞬にして正気に戻ったのですね。
ちょっといい話になっています。
第六話、最後にリラが締めるマフラーは、回想シーンの父親のそれの比喩になっています。
そして第七話、劇中レスリーが演じる舞台も、最後に彼女を待ち受ける運命の比喩となっています。
最終第八話、ダイアナが行方不明になって7年後、親友コーデリアが再登場し、この物語に終止符を打ちます。
全話通して3回(最終話は名前のみ)と、ちょい役ながら最多登場はカザリンさん。トリビアですね。
個人的には第五話のルビーが自分の運命にどう決着をつけるのか、それが一番気になりました。
女性や子供に薦めるのはもってのほか、読者層は極端に限られるでしょう。
また、薦める事ができる相手も、分別と理解のある漫画読みの友人に限られると思います。
自分が"68人"の中に入るのかもしれない・・とゆう自嘲性と葛藤を持てないような男性諸氏が手に取るのも危険です。
あと、加えて言えば、少女漫画のコーナーの並びに平積みにしてこの本を売る書店もどうかと思います。
何の予備知識も無く、間違って買った人達のトラウマは一生消えません。
個人的には
この作品に嫌悪感を示す方がおられることはしょうがないことだとは思う。
しかし、「無限の住人」などから入られた方までもがそうであることには、正直なところ首を捻ってしまう。当作品の方が描き方が強烈であることは間違いないが、たとえその他の活動をフォローしていなくても、「無限の住人」だけを読んでいても、この作品と当然のように地続きであると感じられるように思うのだが……。
細かい内容については既に皆様が多数触れておられるので新しく書くことはしないが、ただ1つあげるなら、とにかく淡々と感情を排した描写に徹しているのには恐れ入る。それこそが最も読む人間の魂を侵食することを沙村先生は知っておられるのだろう。具体的に少女がどのような目に遭ったのかはまったく描かれない話など、心底震えを覚えたものだ。
そして、この作品を強く否定しておられるレビュアーの方が触れておられた、実にさらっとして、次作は女子高生云々と述べておられるあとがきは、確かに爽やかすぎるほどに最悪で強烈である。
――ただ、あるのだが、しかしこれは、そのまま受け取るべきではないと僕は思う。
この作品を強く支持する僕や、星を多く与えられたレビュアーの皆様、そして沙村先生は、この作品に描かれているような出来事に、美しさを見出したり、どうしようもなくカタルシスを感じてしまう人間であることは間違いない(さらに言うなら、おそらくはこの作品を許容できる事由の一つに、この作品で不幸な目に遭うのは少女たちであり、自分は男だということがある、ということも含め)。そして、恐らく沙村先生は、そんな自分のことを、心からどうしようもない人間であると、半ば諦めの境地にすら立って冷笑している部分がおありになるのではないだろうか。少なくとも、僕の場合はそうだ。
そしてそのような場合、せめてそんな自分を曝け出し、確実に不愉快になるであろう人がいることが分かりきっているこのような作品を生み出してしまった人間が、その責めを負う覚悟として、このようなあとがきを書かざるを得なかった――そのような側面もあるのではないだろうか。
もしもそうであったなら、もしかしたら、このカスタマーレビュー一覧を眺めて、先生は安堵の溜息を漏らしているのかもしれない。
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